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20 2015

書く力 齋藤孝 大和書房

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題名 書く力
著者 齋藤孝
発行 大和書房

「書くことは考える力を鍛える。」このフレーズが真っ先に私の目に飛び込んできた。何故書くことが考える力を鍛えることになるのか?

筆者は訴える。「書く力」とは構築力である。書くという行為は、そのまま放っておけばエントロピー(無秩序状態)が増大していき、ますます退屈で無意味な世界になる日常の中に、意味という構築物を打ち立てていく作業なのだと。書くためには自分自身で考えなくてはならない。自分自身の考えを創り上げる、ということにほかならない。

私は、はっとした。20歳で社会人となったあの時の、新鮮な気持ちを思い出した。社会に出たときの小さな不安、しかし、それ以上に、希望と未来の喜びに満ち溢れていたあのころ。人間革命を毎晩読み、毎日日記を綴っていた。池田先生のように、人の幸福のために生き抜く人生を歩みたい。自分は自分らしく、桜梅桃李で、人のために生き抜く、価値ある人生を歩もう。歴史に残る生き方をしよう。そう思った。

書くことは価値の創造である。価値の下げる文章ならば必要ない。創価学会とは人類始まって以来の、歓喜の大生命の価値を創造する、世界第一の団体であるはずだ。ならば書く事も我が使命ではないのか。「書くことは考える力を鍛える」このフレーズは私の命に飛び込んできたのだ。

文章を書く動機は、人に伝えたい中身があることにある。つまり主義主張があるかということだ。更に書くことで、「新たな気付き」もある。書く中で考える力が身につき、自信と経験につながる。そこから次への挑戦、意欲が生まれるのだ。
創価学会は、民衆の幸福を実現する団体だ。戸田第2代会長は、この地球上から悲惨と不幸の2字を無くしたいと云われた。われは仏なり、この世界に不可能は絶対にない。必ず幸福になれる!こう確信し、互いに励ましあい、現実の上に実証を示すのが、我が創価学会ではないのか?ならば書き、創価の価値ある思想を伝えることは、仏法に相通じることである。つまり、書くことは、自分を鍛え、五濁悪世の末法に、破邪顕正の言論と思想で仏法を広め、広宣流布を実現するには、絶対に必要なのである。「書くことは考える力を鍛える」ことは、私たちにとって絶対に欠かせない力、養うべき力であるはずだ。

もし、考える力がなければどうなるのか。筆者は答える。これからの時代、ものをきちんと考える力がない人は非常に不利になる。たとえばビジネスマンの立場も二極分化されることが予想される。考える仕事、すなわち企画してそれを実行する、あるいはプロジェクトを作って遂行していく能力のある人が正社員として会社の中核となり、それ以外の「代わりのきく職種」はアルバイトや派遣社員で構成されるようになるだろう、と。

それでは、具体的にはどのように実行すべきなのか。まずは本の読み方である。常にアウトプットを意識してインプットするのである。そうすることで、より上質な読書が出来る。一時間に30ページしか読めないとしたら、読める30ページを選べばいい。つまり、読むスピードよりも、どの部分を読むかという選択眼を養うことが大事なのだ。

次に線の引き方である。赤は重要な部分、青はまあまあ重要な部分、緑は個人的にいいと思った部分。このように自分なりに3つに分けて読みながら考える力を養い、自分のアンテナに引っかかりを感じた部分をはっきりさせるのである。

そして書くときには、性格の違う三つのキーコンセプトをつくる。そうしてそれを組み合わせて文章を創るのである。また、時間を限定した状態の中でまとめる。こうすることで構築力の力を養う。これは社会人になって特に求められる力である。

そして最後に文体である。文体は文章に生命力を与える。生命力は文体ににじみ出る。構築力(技術)と生命力(パッション)のバランスで文章は決まる。そして読んでもらう相手を意識して書くこと。でないと、自分のために書くことと区別がつかず、意図の曖昧な文章になってしまう。更に、立ち位置を意識すること。文体は立ち位置できまる。一人称で書くのか、三人称で書くのか。これも頭に入れながら書いてみる。

最後にどのようなものを題材にし、実施するのか。まず一番手っ取り早いのが、読書感想文の評価トレーニングである。読書した後、①性質の違うおもしろいところのベスト3を選ぶ。②3ヶ所について著者でなく自分が「言いたいコメント」をまとめる。③「3つのコメント」の相互関係を考えて配列する。これを頭に入れながら作成してみるとよい。

読書感想文の他には、映画の活用がある。本ではないため、考える力が更に必要だ。まず、自分の関心を掘り下げ、3つ選んでみる。3つ選ぶのは、監督なり脚本家の意図を、自分の観点、感性で汲み取るということだ。

最後に日記を活用し、自分自身と向き合うことで自分を取り戻すことだ。本当に書きたいことを書くのは、本来とてもつらいことなのだ。このつらさに正面からぶつかって、内面にある思いを表現するのである。

以上がこの本の大まかな内容であるが、とても貴重な内容が書かれている。
この本を評価する前に、なんでもよいからまず実施したい。早速挑戦したい。そう強く思わせた貴重な一書である。
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