スポンサーリンク
02 2016

乱世を生きる市場原理は嘘かもしれない 橋本治 集英社新書

スポンサーリンク
31617272_main_l.jpg
題名 乱世を生きる市場原理は嘘かもしれない P238
著者 橋本治 集英社新書



 筆者はかなり頭がいい人であることはわかるが,自分には難しいというのが率直な意見だ。何がいいたいのかよくわからず,狐につままれた感じを受ける。わかったようでわからない。わからないようでわかった気のする内容だった。しかしそんな私でも目を引く箇所を見出した。


 日本のあり方はおかしいが何がおかしいのか?それを筆者は考えながら文章を書き上げてゆく。今の時代は今までに無かった智の乱世であり,これからの社会は未知のものに間違いなくなるようだ。


 勝ち組と負け組みはそもそも誰が作ったのか?庶民にはそんな言葉は関係ない。勝ち組と負け組みを作り出す必要がある人間は誰なのか。

 それは「エコノミスト」という現在の投資家であり思想家なのである。このエコノミストとは経済至上主義の時代に於いては何でも知っている存在だ。しかし,経済が破綻した先については何も知らない。つまり彼らの存在価値も無くなり,認めることも決して出来ないのだ。それゆえエコノミスト達は経済を破綻させぬよう,彼らにとって都合の良い世界経済を維持しようと見えない力が働き,絶対の権限を握ってしまっている今の危機状態を,筆者は「乱世」であるという。つまり,勝ち組、負け組みという定義自体が既に狂っている“破綻しかかったシステムの中で生きる”ことにつながるのだ。

 そのために筆者は大きな定義をしている。それは,「経済」の定義を、物や金が動く物流だけではなく,幸福になりたいという根本的欲求も含めて,幸福感が人と人の間に回ることを「経済」と定義したのだ。これに私は大いに感銘を受けた。


 一般的に言われる金銭の経済のみを考えた場合,世界経済は既に飽和しているため乱世であるというのだ。しかしこの金銭のみの経済を支えている一部の通称エコノミストはこれを維持しようと躍起になる。それゆえに今の世界経済は人の欲望によって動かされているのではなく、世界経済が人の欲望を作り上げてコントロールしているといっている。つまり、一部の投資する人間―エコノミストが欲望を作り出しており,それは彼ら自身の欲望のために存在するシステムとなり,知っていようがいまいが我々はそのシステムの中で彼らの思惑通りに動いているのだ。


 今のものと金の経済を、世界の現状を中国がそのまま真似ようとすれば、世界経済は間違いなく破綻するだろう。今こそ方向転換のときであり、金銭が流通する「経済」という定義を,幸福感が流通する「経済」という定義へと変換させる必要があり、バブルが崩壊した日本こそがこの意味を真に理解し、これからの世界に働きかけて方向を転換しゆく鍵となっているのだと。


 私は大いに賛成だ。経済至上主義から人道主義へと大きく価値観を変換しゆく時代、それがまさに今。智の乱世とは,どの思想がこれから先生き残っていくのか。まさしく思想戦である。筆者の言う、経済の定義を幸福の流通へと、私自身今いる地域・職場から変換しゆく挑戦を開始したい。

関連記事
にほんブログ村 哲学・思想ブログへ このエントリーをはてなブックマークに追加 


スポンサーリンク

乱世を生きる市場原理は嘘かもしれない 橋本治 集英社新書

0 Comments

Leave a comment