15 2016

チェルノブイリ30年の教訓 汚染地域の放射線防護の実態 日本の現実に驚き ロシア研究者・尾松亮

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原発は不要です。負の遺産を未来の人に継承せず破棄するにはどのようにすべきでしょうか。
日本経済のシステムに根深く組み込まれている原発をなくすためにはどうすればよいのか。
私も3.11のときに支援業務で岩手に行かせていただきました。
色々なことを思う中で、聖教新聞にロシア研究所尾松亮氏が書かれた記事がありましたので紹介させていただきます。


除染作業員のマスク

福島の避難指示区域内。車の窓から、炎天下の中、働く除染作業員の姿が見える。
 「あのマスクは何のためにしているの?あれじゃ、防護にならないのに・・・・・・」
 カーチャさんは、深くため息をついた。着けているマスクが、普通の市販のマスクとほぼ変わらないように見え、驚いたようだ。


モニタリングポストの設置はなぜ高いのか

 2016年8月、ロシアの市民団体職員カーチャさんと一緒に、福島県内の旧警戒区域内を訪問した。楢葉町出身のSさんが車で案内してくれた。
 すでに避難指示の解除された楢葉町では、来年4月に学校を再開する準備が進められていた。
 帰還困難区域以外では日中、区域内に入れる場所もある。浪江町では津波被災地を訪れ、その後、富岡町の帰還困難区域の手前まで行った。
 「なんでドジメトル(モニタリングポスト)をあんな高いところに置くの。地面が一番線量が高いのに。あれじゃ分からないじゃない」
 カーチャさんは、チェルノブイリ事故汚染地域で、長年、子どもたちに放射線防護を教えてきた。どんなところに放射性物質がたまりやすいのか、どうやって放射線から身を守るのか、分かりやすく子供たちに教えるのが、彼女の仕事だ。
 自身の経験に照らし合わせて、カルチャーショックの連続だったようだ。
 車を止め、道路脇の草むらで測ると、線量は毎時1マイクロシーベルトを越えた。
 「本当にここに子どもたちも帰るの?」
 そう言った時の彼女の心配そうな顔が忘れられない。


放射能チェックポイントがない

 もう一つ忘れられないカルチャーショックがある。避難指示区域を出、いわき市のホテルに戻る道筋だった。
 「チェックポイントはないの?」
 一瞬、質問の意味が分からなかった。
 「何もしないで出てきちゃったけど」
 言われてみれば、確かにそうだ・・・・・。
 チェルノブイリ原発周辺30キロ圏内は、今でも厳しく立ち入りが制限されている。
 人や車は出入りの際に、汚染物質を圏外に拡散しないよう、チェックを受ける。汚染された衣類や荷物を没収されることもある。
 今、この車で避難指示区域内を走ってきたばかりだ。なぜ、タイヤも車体も汚染度を測らず、人の住む町にそのまま乗り入れられるのか。チェルノブイリの立ち入り規制や放射線チェックのシステムを知る彼女には理解できなかった。
(チェルノブイリ30年の教訓 ロシア研究者 尾松亮 2016年11月3日聖教新聞)


以上です。ありがとうございます。
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