02 2017

第13回アメリカ創価大学卒業式2017年5月26日 池田先生メッセージ

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170702アメリカ創価大学

 アメリカ創価大学(SUA)の第13回卒業式が2017年5月26日午後(現地時間)、カリフォルニア州オレンジ郡アリソビエホ市のアメリカ創価大学・創価芸術センターで盛大に挙行されました。「ポジティブ(楽観主義)心理学」の世界的な権威であるミハリー・チクセントミハイ博士が記念講演をされ、式典には卒業生のほか、SUAのハブキ学長や理事、教職員、卒業生の家族、支援者、同窓生など約1000人が出席されました。創立者の池田大作先生より和歌とメッセージをいただきましたので紹介いたします。


平和の大理想へ 信頼の絆を世界に広げよ あらゆる差異を超えて 多様性輝く社会を築け

 一、「心」というものは、融通無碍であります。わが心は瞬時に太平洋を越え、今まさに、アリソビエホの丘に立つアメリカ創価大学の創価芸術センターにあります。
 我らの母校の伝統を一段と発展させてくれ、見事な青春の勝利劇を飾られた皆さん方一人一人に、祝福の喝采を送りながら、晴れの式典を見守っております。
 私の生命であり、人類の希望である13期生の皆さん、大学院の新教育プログラム2期生の皆さん、誇りも高き卒業、誠におめでとう!
 送り出してくださったご家族の方々、支えてくださったご友人方にも、心からのお祝いを申し上げます。
 また、昼夜を分かたず、学生たちを温かく励まし、薫陶してくださった教員・職員の方々に、心より感謝申し上げます。
 本日は、尊敬申し上げる世界的な心理学者チクセントミハイ博士をはじめ、多くのご来賓に祝福にお越しいただき、創立者として、これほどの喜びはございません。誠に誠にありがとうございます。

 一、チクセントミハイ博士は、長年にわたり、創価の平和・文化・教育運動に対して、深い理解と共感を寄せてくださっています。
 5年前には、聖教新聞のインタビューに応えていただき、「人生の宝」について三つの価値を挙げられました。それは、第一に「信頼」であり、第二に「希望」であり、そして第三に「“今”をよりよく、楽しく生きようとする姿勢」であります。
 若き皆さん方が、人類に貢献しゆく世界市民として、さらに成長し、飛躍しゆく糧となる「人生の宝」であります。
 きょうは、この三つの価値を踏まえ、チクセントミハイ博士を囲み、皆で和気あいあいと語り合う思いで、メッセージを送ります。

 一、第一に、「社会に世界に信頼の絆を広げよ」と申し上げたい。
 チクセントミハイ博士が強調されている通り、「信頼」こそ全てに優先する価値であります。
 私の師匠である戸田城聖先生が青年にとって最大の財産と教えられたのも「信用」であり、「信頼」でありました。
 人生は、一人の人間として、どこまで誠実に「信頼」を勝ち開いていけるかという挑戦であるといってもよいでしょう。
 どうか皆さんは、新しい価値創造の舞台にあっても、アメリカ創大生らしく、常に誠実を貫き通していってください。誠実に勝る力はありません。
 「人の誠実さというのは、誠実な人間にこそ引き出せるものだ」(リチャード・ステンゲル著『信念に生きる』英治出版)とは、私の大切な友人マンデラ元大統領の信念でありました。
 「あの人は誠実だ」「あの人がいれば安心だ。大丈夫だ」。そう信頼される存在と光っていくことが、私たちの目指すべき間断なき成長と自己革新――「人間革命」の具体的な指標でもあります。
 そして、この「信頼の絆」を、誠実な対話によって広げていくことが、あらゆる差異を超え、心と心を深く結び、平和な世界を築く基盤となっていくことを、あらためて確認し合いたいのであります。
 インドネシアのワヒド元大統領は、私との語らいの中で、言われていました。
 「民族性や文化的な違い、あるいは歴史的な背景にかかわらず、対話は人々に“人間の顔”を与えることができる」と。
 世界中の学生が集い合うキャンパスで学んだ皆さんは、まさに、この“人間の顔”を互いに輝かせる対話の力を錬磨し、すでに若き「世界市民」として、大いなる翼を鍛えてきたことを誇り高く自負してください。いよいよ勇気をもって、使命の大空へ羽ばたく時です。
 激しい時代の嵐にも、怯まず、恐れず、惑わず、「不信」を「信頼」へ、「分断」を「結合」へ、「差異への恐れ」を「多様性の喜び」へと転じながら、悠々と堂々と、飛翔していただきたいのであります。

不屈の楽観主義で共に勝利の人生を

 一、第二に、「希望の仲間と、希望の光を放ちゆけ」と申し上げたい。
 13期生の皆さんの入学レセプションで、私はニュージーランド出身の平和学者であるクレメンツ博士と対談を進めていることを紹介しました。昨年、完成したこの対談集の中で、博士が紹介くださった印象深いエピソードがあります。
 それは、紛争地帯でNGO(非政府組織)の活動をする中で、たとえ落胆する試練に遭っても、志を同じくする仲間と接すると必ず勇気が湧いてきたというのです。
 その経験を通して、博士は語られました。
 「自分だけでは押しつぶされてしまいそうな問題に対しては、皆と一緒に立ち向かうこと」「青年たちに伝えたいことは、同じ目的をもった仲間を大切にすること」と。
 良き仲間を持つ人は強い。その励まし合いのあるところ、尽きることのない希望が生まれます。
 そして希望があるところ、どんな困難も必ず乗り越えてゆく力と知恵が生まれるのです。
 皆さんには、アメリカ創大の同窓のスクラムがあります。皆さんの活躍を何よりの希望として信じ祈り、待ってくれている父たち母たちが、世界中にいます。そしてまた、これからの前進の中で、皆さんの大志に共鳴しゆく新たな友も誕生するでしょう。
 東洋の聖賢の譬喩に「人のために火をともせば・我がまへあき(明)らかなるがごとし」とあります。
 皆のために生命を燃やし、情熱の炎を燃やすところに、自他共の未来を照らす希望の光が輝きます。
 心広々と良き仲間と苦楽を分かち合いながら、不屈の楽観主義で、共に人生の勝利へ、大いなる理想の実現へ、希望の光を放っていっていただきたいのであります。

「今」この時にベストを尽くせ

 一、第三に、「“今”を朗らかに生き切れ! そこに未来の創造と喜びがある」と申し上げたい。
 チクセントミハイ博士の近著『クリエイティヴィティ』(浅川希洋志監訳・世界思想社)の一節に、私は深く感銘しました。すなわち――
 「真に創造的な業績とは、ほとんどの場合、暗闇で電球が点灯するような突然のひらめきによってもたらされるものではなく、長年の努力の結果なのである」と。
 「心」という最も身近にして最も深遠なフロンティアの探究に、計り知れない努力を貫き、不朽の創造を成し遂げられた知性の洞察であります。
 皆さんは若い。ゆえに、いたずらに功を焦る必要などありません。じっくりと構えて、「今」この時に、ベストを尽くしていくことです。その日々の挑戦を楽しんでいくことです。
 たとえ、思うように結果が出なくても、いやまして努力を積み、創意工夫を重ねていただきたい。失敗しても、そこから学べば、新たな価値を創造できます。愚直なまでに執念の挑戦に徹していく生命にこそ、偉大な創造の太陽が昇るのではないでしょうか。
 「陰徳あれば陽報あり」という究極の希望の因果律を、私は愛する皆さんに託したいのです。
 本日の卒業式は、新たな人生を創造するスタートであります。
 どうか、たゆまぬ「努力また努力」、不屈の「挑戦また挑戦」によって、人生と社会と世界の新地平を開いていってください。

 一、昨年、アメリカ創価大学で開催した「世界教育者サミット」に駆け付けてくださった国際平和教育研究所の名誉創設者ベティー・リアドン博士は、「アメリカ創価大学には、全ての人々のためのグローバルなコミュニティー(共同体)を築いていく力をつける環境が整っている」と評価してくださいました。
 アメリカ創価大学は、平和と文化と教育の連帯を広げ、人類の希望の未来を開きゆく「英知の殿堂」であります。2020年からは、新たに「生命科学」コースが設置されることが決まりました。いよいよ発展を続ける、この殿堂を荘厳するのが、皆さん方一人一人の前進であり、勝利なのであります。
 愛する皆さん全員が、健康で幸福で、栄光と凱歌の人生を飾りゆくことを、私は祈り抜いてまいります。
 大切な、大切な宝の卒業生、万歳! 誉れのアメリカ創大家族、万歳! きょうは、本当におめでとう!(大拍手)

(聖教新聞2017年5月29日(月)付 第13回アメリカ創価大学卒業式2017年5月26日 池田先生メッセージ)

本当にありがとうございます。
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